🌙
特別じゃない毎日が、
あとから宝物になる。
最初から、
35分だったわけではありません。
ももが学校へ行っていた頃は、
10分のママ時間でした。
学校から帰ってきたら、
10分だけ、
ももの好きなことを一緒に楽しむ時間。
短いけれど、
それで十分でした。
でも、
ももが不登校になり、
毎日家にいるようになりました。
ももは、
「もっとママと一緒にいたい。」
わたしは、
「仕事もしたい。」
どちらも、
本当の気持ちでした。
そこで、
親子会議が始まります(笑)
「1時間!」
「うーん、それは難しいなぁ。」
「じゃあ20分!」
「もっと!」
「えーー(笑)」
そんなやり取りの末に決まったのが……
35分。
30分でもなく、
40分でもなく、
35分。
今思うと、
なんとも中途半端な数字です(笑)
でも、
わたしたち親子には、
その35分が、
ちょうどよかった。
最初の頃は、
アバターワールドというゲームでした。
「ここはね!」
「この人がね!」
目をキラキラさせながら、
説明するもも。
わたしは、
ゲームのことはよく分からないけれど、
「へぇ〜😊」
「わぁ、すごいね!」
「こんなこともできるの!?」
そんなふうに聞いていました。
きっと、
ゲームを見ていたんじゃない。
ももの世界を、
見せてもらっていた。
そんな時間でした。
ある日。
久しぶりの35分。
その日は、
ゲームではなく、
ダンゴムシの絵を一緒に描きました。
毎日お世話をしている、
ダンゴムシ。
「ここ、こうするといいよ😊」
ももが教えてくれます。
わたしも、
一生懸命描いてみる。
すると、
「ママ、上手😊」
そう言ってくれて、
思わず、
二人で笑ってしまいました。
😊
そのとき、
ふと思ったんです。
同じ35分なのに、
育ってる。
ゲームの日も。
ダンゴムシの日も。
遊びは違う。
でも、
わたしたち親子の時間は、
少しずつ、
少しずつ、
育っていました。
ある日は、
ゲームを見せてくれて。
ある日は、
絵を描いて。
またある日は、
お友だちとのことを、
ぽつり、
ぽつりと話してくれる。
35分は、
少しずつ形を変えながら、
わたしたち親子と一緒に、
育っていました。
子育てをしていると、
「もっと一緒に遊ばなきゃ。」
「もっと向き合わなきゃ。」
そんなふうに思うことがあります。
でも、
ももが本当にうれしそうだったのは、
特別なことじゃありませんでした。
ゲームを見てもらえたこと。
ダンゴムシを一緒に描いたこと。
「へぇ〜😊」
って笑ってくれたこと。
ただ、
「見て😊」
を受け取ってもらえたこと。
35分に、
特別な意味なんてありません。
親子で相談して、
なんとなく決まった時間。
でも、
振り返ってみたら、
あの35分は、
わたしたち親子が、
少しずつ心を近づけていった時間でした。
人生って、
案外そんなものなのかもしれません。
最初から、
宝物だと気づく時間なんて、
ほとんどなくて。
😊
あとから振り返ると、
「あぁ。」
って、
宝物になっている。
🌙 今日のしおり🌿
親子の時間は、
長さじゃない。
「何をしたか」
でもない。
「一緒に笑えたね。」
その積み重ねが、
少しずつ家族を満たしていく。
月が、
少しずつ満ちていくように。
焦らなくて大丈夫。
今日の10分も。
今日の35分も。
きっと、
未来の宝物になるから。
🌙
この本は、
未来のももへ贈る手紙です。
あの頃、
ゲームで遊んでくれてありがとう。
ダンゴムシを描かせてくれてありがとう。
ママを、
あなたの世界へ招待してくれて、
ありがとう。
😊
あの35分は、
ちゃんと宝物になりました。
そして、
今日、
子どもの「見て😊」を受け取っている、
誰かのお母さんにも。
🌙
ある午後、
「見て😊」
という小さな声に呼ばれて、
ダンゴムシを一緒に描きながら。
momo moon / シンシア

